思いでの箱 平成25年5月17日 改訂
スイッチバック駅だった北宇智駅 JR和歌山線
2007年(H19年3月)にスイッチバックは廃止され
単なる平坦駅となりました。蒸気機関車時代の名残が一つ消えました。
まず 平成25年現在の様子をレポートします。
2013年(H25) 5月17日
あれから6年たっても線路やホーム、駅舎は当時のまま放置されて
いました。奥のほうはかなりの雑草で覆われています。 .
ちょうど奈良行きが入線してきました。 無人駅です。
105系電車が去っていきました。
スイッチバックの駅 北宇智駅 本編です
2007年(H19) 1月14日 撮影
北宇智駅はSL時代の名残のスイッチバック駅です。五条から吉野口にかけての
勾配区間の中間に位置し、今も電車が前進後進を繰り返します。 .
奈良行普通電車が左から上がってきて、バックして今到着しました。
次ははこちらに向かって出発します。 .
和歌山行きの到着です。これもこちらに向って出発します。
バック運転中の電車。
手前の線路は次の五条にむかって20‰で下ってゆきます。
背景の山は 近畿百名山のひとつ金剛山。海抜1,125m。
ここから登山道も整備されています。 .
左が本線 右は引込線
SLがまだ走っていた頃の北宇智駅 1967(S42.5) 撮影
踏切警手が写っています。
バック運転をするとき、運転士は歩いて運転席交代をします。決して後向きには走りません。
引込線で一回 駅で一回、だからこの駅を通過するのにけっこうな時間がかかります。 .
ところでこのレンガ積みはなんじゃいな?
こんなのを見るとほっとけないのが私の癖
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線路の向こうにあって | |
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反対側にもあって | |
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木のフタがされていて 中で水の音がして。 なるほど、なるほど。 |
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多分間違いないと思いますが、農業用水路のサイホンでしょう。 | ||
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察するに、こんな構造になっていて、農業水路を線路が分断しないように工夫された
装置と思います。レンガ積みと言うことはおそらく和歌山線が敷設されたときに同時に
作られたもので、現在なお役目を果たしているものと思います。 .
私にとってははじめて見るもので、珍しそうに説明していますが、「こんなものどこにで
もあるじゃないか」と言うぐらいありふれたものかも知れません。 スミマセン .
お断り
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私は北宇智の仕掛けを「サイホン」と呼びましたが、厳密には サイホンではありません。 でも世の中ではこれをサイホンとか 逆サイホンとか俗称されています。 本当のサイホンは、大気圧を利用して導水する左図のような 仕掛けです。 北宇智のそれは単に「底がつながった管」、理科の実験などで 使う連通管に過ぎません。 |
追跡
2008年4月29日 スイッチバック廃止後ちょうど1年経って、再訪問しました。
駅は大和高田方面に100Mほど移動し以前の平坦部分を旨く利用し
ちっちゃな駅舎を新設して開業していました。 「なるほど、なるほど!」
どのように駅を移設するのか、当時はちょっと想像できにくかったんですが
こうしてみると「なるほど!」と感心しました。
スイッチバックの駅 北宇智 END
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