思い出の箱                                    平成19年6月17日

京都市電 昭和40年ごろ
スカイブルーのワンマンカー


                                          国鉄京都駅前にて
ダークグリーンの1000型 と 新登場の2000型スカイブルーのワンマンカー

朝の9時までは烏丸通りを2両連結で走っていました。正面左下に密着型連結器が見えます。





白梅町 交差点にて (西大路道り)

2000型ワンマンカーは昭和39年に合理化の先兵として新造されました。
京都の人にとって不慣れなワンマンカーなので、一目で分かるように、派手な
スカイブルー色で登場しました。2年後か3年後かは知りませんが、やがて元の
伝統の色、ダークグリーンに塗替えられました。                  



昭和40年ごろの京都市電を少し紹介します。



 
   古豪 500型 530号車            衣笠校前停留所   京都市北区   

車体中央の出入口は痕跡だけで使われていませんでした。

車内は木で作られ、こってりとニスが塗られ、とても良質な造作で雰囲気が漂って
いました。  前から後ろまで長く続くロングシートは、僅かに他形式と比べて高さが
あり真っ赤な起毛の生地が使われていて、赤じゅうたんの様な様相がとても厳かで
気品なある車内でした。                
                  .

今になって考えすぎかもしれませんが  2017年10月

500型は初代は大正13年製造ですが、518号以降は昭和3年の昭和天皇の
即位記念式典 いわゆる昭和の御大典が京都岡崎で行われるにあたって
輸送増強のために増備されたもの。この車両はその増備分に当たります。
天皇陛下がらみなのでこの気品が演出されていたのだと思うと合点出来ます。



 
 
車内の銘板には「製造 梅鉢鉄工所」と書かれていました。
衣笠校の近くに学問の神様菅原道真を祀った北野天満宮があります。
この天満宮の紋が梅鉢なのでてっきり京都にある車両会社で、京都らしい
社名だなと思っていました。ところがその会社は東急車輛の事でした。


                  
参考   梅鉢の紋   


補足メモ

501号車 〜 517号車 大正13年から製造  田中車両製 (現近畿車両)
518号車 〜 540号車  昭和3年から製造 梅鉢鉄工所製       .

梅鉢鉄工所は明治23年に大阪・堺市で創業し、発展しその後の帝国車両となり、
1968年(S43)東急車両製造に吸収され、現在の椛麹車両製作所につながります。





小型な600型              西院停留場 (西大路四条)

  
 ゴンゴンとなる鐘  フートゴング

京都の市電にはプワァーンと鳴る一般的な警笛と併用して、ゴンゴンと鳴る鐘が
付いていました。 運転台の床に足で踏む丸い出っ張りがあり、ある程度の力で
踏むとゴンと鳴ります。フートゴングとか言いましたが警笛とどう使い分けたのか
私には分かりませんでした。鐘といってもゴーンと響かず、ゴンゴンと鳴り人に .
優しい、街にも優しい音でした。                           .




   
  
 

        スマートな700型                      衣笠校前停留場

   
  乗降口が4枚折扉でなんとも都会的あるいは近代的な雰囲気が漂っていて
  モーターの音も旧型車のようなゴーンという重たい音でなくもっと軽い音
だったと記憶しています。床も木製でなくリノリュームのような素材
でした。 これはこれで好きな車両でした。           .



     

          普通乗車券                  高齢者割引などの福祉的な切符







 定期乗車券

この定期券は、四条大宮から衣笠校前間の学割です。
地図に赤ペンで書かれた区間がそうで、6月分です。下地は青ですが
月ごとに色が変わり、乗務員は一目で期日切れが分かります。    .

期限を5日ぐらい過ぎていても 「次ぎ、買うといてや」と車掌や運転手
が言うだけでした。庶民の足を感じる暖かい雰囲気がありました。   .


END

「思い出の箱」が推奨する京都市電を紹介するHPです
Railbus Photo Album
バスの好きな管理人さんですが
とても良質な鉄道写真も多く、楽しめると思います。



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