思い出の箱  番外編                         2010年6月14日 制作
                                          2020年5月5日 改定 画像追加
 ただいま製作中  D51 プラモデル




30年ぶりにプラモデルを作ります。  これはその奮闘記です。

 (株)オオタキ 製
        D51 101号機
 スケール 1/50

じつはこのプラモデルキットは20年以上前いずれは組み立てる
だろうと思って9600型と一緒に買っておいたものなんです。


雑誌にスタイルブック そして撮りためた写真を参考にさぁー作ろう




カッターナイフ、やすり、ドリル、接着剤 、塗料、筆など買い込みました。




加減リンクや動輪周りの組み立ては、かなり細かい作業です。
走らせると、本物と同じ動きをするのでとてもうれしくなります。



従台車  先台車の組み立て
プラモデルとは言え 左右に首を振ります。






ただパーツを組むだけでなく、作る人それぞれの創意工夫が必要です。
完成作品を眺める楽しみの他に、その製作過程に醍醐味があります。





台枠のリベットは素材には無かったのですが、1mmのドリルで穴をあけてから
プラスチックの棒材を差込んで見ました、こういう工夫が楽しいんです。



台枠の錆びを表現するのに塗料でを少し塗りました





こんなところにも製作者なりの一工夫をしました。

それは動輪の重量感なんです


左の@は キットの素材そのままで何だかペラペラした軽い印象です。

右のAは 穴をあけて黒塗りした紙を裏に張り付けました。
ちょっとオーバーですがボックス動輪らしい厚みと重量感が出ました。

少し小さめの穴にしておくのがコツ、それが見えてもっともらしくなりました。




次はボディーの製作です




半円形の素材を二つあわせて輪ゴムで止め、足回りに仮置きしました。




これに煙突やドームなどを背中に乗せると、いよいよ機関車らしなり、
機関車トーマス、はたまた英国製古典機のような感じ。


付属のキットには無いパーツやあっても少し形が変なのもあります。
無いものは作る、変なのは改造するか作るかです。



まず、 エナメル線4本を空気管としてボディーに貼り付けます。

実はD51の標準型でも101号機など初期のものには、外壁に隠されているらしく、
外部に装着されていません。 すっきりしていいようなんですが、なんか頼りなく感じられ、
無理やりつけました。 こうなると101号機でも何でもいいかと言う気にはなります。  
 .








ぐっと引き締まっていい感じが出ました。 
 エナメル線を4本並べて、帯状にピッタリ並べて固定するのは意外と難しものです。
ハンダ付けで固めようと考えるも、手元にコテが無く断念。あれこれと試行錯誤の末、
なんとこのモデルの接着剤でひっついたんです。 

ボディーにドリルで穴をあけ、帯状のエナメル線を別のエナメル線で固定しました。


蒸気管の取り付け




真鍮色した管 これらはプラ製のパーツが付属していますが、あえて別途購入の
金属製の管を使用しました。                                .

模型屋さんにこんな素材はありませんかと尋ねると、「布巻き管」と教えて
くれました。このモデルにドンピシャの部品でした。             .

豆知識 @ 通風管   運転室から最前部煙室内に蒸気を送る管です。
  停車時などに使われるブロワーの蒸気管です。
A 排出蒸気管   給水ポンプで使用した排蒸気を高温のまま、
  この蒸気管で給水温め機まで送り、再利用します。


板バネの製作

先輪とボディーの間にポカッと空間がありました。
そんなはずは無いと思い、資料を見ますと、台枠の一部、ステー、先輪の
バネなどがあり、キットの付属パーツにはありません。 
         .




紙を重ねてこんなちっちゃな
   板バネをチマチマと作ります





切手の大きさと比較

この切手、小学校のときに
郵便局で買ったものです。
    値打ちありますか?
 塗料を塗って、取り付けました。

同じものをもう1っこ作らねば。

次はナンバープレート

 キットに付属のプレートは金文字で
いいのですが、書体がうそっぽい。


 パソコンのEXCELで作りました

 用紙は写真の光沢紙を使い,あとは
カッターで切り抜いて出来上がり。

 少し薄めた塗料で汚すと雰囲気ある
プレートの出来上がり。

ただ凹凸が無いのが玉にキズです。



D51を作るにあたって 大変重宝している資料です。

グランプリ出版  1998年刊行 

蒸気機関車メカニズム図鑑





話せば長くなりますが、長い間、高圧ボイラーの中にどのようにして
水を継ぎ足して行くのか長年の疑問でした。あるときこの本に遭遇。
写真の表題<注水器>の項を読んでバッチリその疑問が氷解しました。

銅パイプが空気管で砂まき装置の一部だと言うのもこの本で知りました。

このような本に早くからめぐり合わせていたら、蒸気機関車に対する
見方ももっと変わっていたかも知れないぐらい、すばらしい内容です。

グランプり出版の回 し者のようですが、そう思われてもいいと思うほど私は
この本をバイブルにしています。




細かい作業の息抜きに、簡単なテンダーの車輪周りを作っています。

ところが接着してから気が付きました。台車の支持点がちょっと変。
 ボギー中心点に支持が無く、側側2点が円柱状になっていて、実物とは
かなりの違和感があります。後日改造しなくては。            .




1 2 3 4 5
空気タンク コンプレッサー 調圧機 泥溜め 逆転機

パーツをボディーに取り付けます。どんどん雰囲気が出てきました。
コンプレッサーに金色の帯を入れるとググッと存在感が出ました。

3 調圧機 ブレーキなどに使う空気の圧が下がると、コンプレッサーを起動
させます。
豆知識   泥溜め ボイラー水に溜まる泥などの不純物を濾します。
5 逆転機 この長いバーを運転室から押したり引いたりして、加減リンクを
通じて、 シリンダー内へ送り込まれる蒸気の量を加減したり、
機関車の前進後進を操作します。




連結器 や除煙板 ヘッドライトを装着

このヘッドライトもそうなんですが、今回の製作にあたっては接着剤を多くつけすぎて
コテコテ状態になり総じて出来上がりが汚くなってしまいました。
 大反省!






上は 動輪のタイヤ部分を黒く塗りました。

下は         タイヤを光らせました。




現実にはこんな光ったタイヤは展示用あるいは復活機以外見たことがありません。
でも足元がキリッとしまって、格好良く見えます。 どっちがいいだろう?

迷った挙句に、左右別々としました。 自分でいい様に楽しむんだからと開き直りました。




ヘッドライトに銀色塗料を塗りました。 前方標識灯をつけました。

この画像の4枚前に前方写真を見たとき、色気の無い顔だなと思って
いましたので、標識灯の
を入れました。 いい感じです。
キットのパーツに無いので自作しました)

絵画が趣味ですので、どうしても赤を入れても少し黒で汚したりして
絵の作品のような作業をしてしまいます。               .

この写真だって、背景を赤の反対色(補色)のグリーン基調にして
赤が映えるように気を使ってしまうのです。               .




ヘッドライトが変なことに気が付きました。
なんか薄っぺらい。  後で載せ替えます。


どっちでもいいようなこともこだわって              .
シリンダー排水弁を取り付けました。




シリンダー排水弁  機関車が駅を出発するときに、シューシューと湯気が、右っ左っと
勢いよく吹き出しますが、この弁を開けると吹き出るのです。

 停車中にシリンダー内の蒸気が、冷めて水になったものを排出する
ためです。 鉄道ファンにはドレーンを切るなどと言われています。
ある意味で、機関車の見せ場になる装置なのでこだわりました。



所属機関区の表示板    竜 と 亀

エクセルで作った文字

世の中ホント便利になりました。


国鉄 竜華機関区所属

プレート  


 同   亀山機関区所属

プレート    

  鉄道ファンとして私を育ててくれたのは、他ならぬ竜華操車場です。
 小学生の私の楽しみは、土曜日の午後は自転車で機関車を見に行くことでした。
 小学校4年ごろ 操車場に14時頃だったろうか、入場する貨物列車は毎日決まって
亀山発・竜操着のD51の貨物列車でした。 真っ白い文字で亀と描かれていました。

はじめ気に入っていたナンバープレートが妙にうそっぽくなり、いずれ作り直しいます。




汽笛と二本の安全弁。

 この安全弁の形が実物と微妙に違いどうも気になります。
汽笛もナイフで削ったりヤスリをかけたりして成形しました。ちょっと光りすぎ?
細いハリガネで汽笛の操作ワイヤーを運転室まで付けました。



ランボードの下のクネクネした空気管はボディーより少し明るく塗りました。
同じ色だと奥の陰に沈んでしまって、存在感と質感が出ません。地味な仕事
ですが、効果は抜群で思わずニヤリとしてしまいました。           
 .

主連棒や連結棒、その他、銀色の部分は素材自身から銀メッキ状になって
います。 やはりそのままだとうそっぽくて、あえて汚れた感じにしました。


この写真を見ると、動輪の踏面がきれいに光っています。


いよいよ、モノクロ写真で出来栄えの確認。



モノクロ写真で出来栄えを確認

40年ほど前に
全国で活躍していた蒸気機関車は、モノクロ撮影が最適と
信じた私は、やっぱりプラモデルでもそうしないではいられませんでした。


千葉在住の高橋一晴様から
 現役時代のD51101号機の写真を送っていただきました。 
 
  「1972年5月20日 羽越本線 岩船〜村上 間 (新潟県)を山形県方面に
力走中です。この日、県下で植樹祭があり、この貨物列車のあと、C57 1号機の
牽くお召し列車が通過しました。」 とのコメントをつけていただきました。
 

本当にありがとうございました。
  
D51 101  MEMO
      1938年(昭和13年)     製造                                 .
 1955年(昭和30年)     一関(盛岡)から酒田(新潟) そして新津へ転属 
1972年10月(昭和47年) 中津川(名古屋)へ  73年6月 廃車       .
         
この記録からすると、この写真の5ヵ月後には中津川に転属しています。
         現在  静岡県 島田市にて静態保存されています。

中津川には1年足らずの在籍中にSL木曽路号なども牽引、人気のSLでした。

NEWS         2020年5月5日  
廃車の一か月前の中央西線での活躍中の画像を
読者からご提供いただきました。

ナンバープレートはみどり色です。 1973年(S48.)5月 撮影

 
東京都日野市 在住の谷口元司 様  撮影


ご支援有難うございました。

谷口さんも鉄道写真のブログを発表されてます。

TAN I の鉄道写真の回顧録  
ページのまもなく下にリンクボタンがあります。


 ヘッドライトを載せ替えました。
ちょうどいい太さの丸棒を輪切りして作りました。

運転台の床下の機材類が少なくて気になる
ところですが、どのように作るか宿題にしておきます。


プラモデル D51 完成!   END

RINK
 TAN Iの鉄道写真の回顧録   TAN I 

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鉄道ファンであっても模型はしなかった私ですが、製作期間中は
夢中になってしまいました。 自分だけのアイデアで作りましたが
模型ファンには当たり前のことと笑われるような記述や、 それは
違うと言った点もあるとは思いますがご容赦ください。     
.

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