思い出の箱                                平成24年12月20日 改訂 A
                               
近鉄電車 昭和40年ごろ  台車編

このページは「近鉄電車 45年前」の姉妹編です。  本編もあわせてご覧ください。



特急 ビスターカー以前の大阪線特急車両         KD-5型台車





同じく特急電車                   FS-11型 台車




                                                         2012.12.20画像追加
戦後復興期。 主に大阪線上本町〜国分の               .
普通電車に運用された モ2003号車の台車。

       私はこの2000型には物心ついた頃から乗っていて、電車の音が
♪「ウーン  ガタン ガタン ガタン……」というのはこの台車ことだと思うぐらいです。





近畿車両製  KD-30E型   シュリーレン式台車
昭和40年前後の通勤電車等にこのタイプは長らく活躍しました。




                     KD30型

 鉄道ファンのひとり言 

今でこそ当たり前のエヤーサスペンションは当時は特急車以外は装着が無く
それでもこのシュリーレン台車は素晴らしい乗り心地で、しかも近鉄の軌道は
とてもしっかりしていたので、なおさらのことでした。                .

長瀬〜弥刀間に200mほどコンクリート枕木が試験的に敷設されていました。
当時は新幹線を除いてロングレールやコンクリート枕木が普及してなくて、
珍しかったので耳を澄まして乗り心地を味わいました。 ただ木製とさほど  .
変わらなかったし、むしろ木のほうが良かったかもしれません。        .
今でもレールの継ぎ目は木製が多いのはその実験結果なのだろうか?  .

阪急ファンに申し訳ありませんが、昭和40年当時の京都線の軌道は近鉄に
くらべひどいものでした。 新鋭車の2800型や2300型の住友FS345でも
エヤーサスペンションのエコノミー台車でもビビリ振動 走行音などもかなり
よくありませんでした。  2804番編成のKS51型台車は少しましなぐらいで
 逆に名車デイ100がこの軌道を100Km/h以上でぶっ飛ばすと、感動するぐら
い勇壮な走りっぷりを感じさせる軌道でした。                .  .

京阪電車特急車1800型 エヤーサスペンションKS51型台車の乗り心地
は素晴らしいものでした。 京阪三条駅をNHKの時報のような合図とともに
何の振動も音も無くスーッと滑り出すあの感触は「負けた」と思いました。  .
近鉄ファンとは思ってませんがなぜか「負けた!」                .

近鉄鶴橋駅はすべての電車が停車します。 そのせいでしょう、停止位置に
近づくとレールはひどい異常磨耗をしていて下図のような台車の電車はガタ
ガタビリビリと大きく響きガラス窓も共鳴しています。私はこれが好きでいつ
も味わっていました。 いつの頃からか車両が軽くなったためか、レールを
修整しているのか知りませんが、その楽しみはもうありません。       .
 昭和40年ごろはこんな台車の旧型電車が
たくさん走っていました。 モーターを響かせ、
大きなジョイント音とガツンガツン来る振動は
それはそれでとても楽しい乗り心地ではあり
ました。


                                               
KD30台車中央の揺れ枕は線路枕木両方向に揺れる仕組みでした。 ここに不具合が
あったのか、まもなく枕木方向に揺れる下の写真の様な台車に変わっていきました。  .



奈良線 8000型       KD51型台車



昭和42年ごろ、フラッと高安工場に立ち寄りました。



ビスタカーの台車の解体検査中
2代目ビスタカー10100型のKD41型台車と思われます。 

軸バネ部分がオイルダンパ組込みの円筒案内式のシュリーレン型
の特徴が良く分かりますね。                        .



初代ビスタカー10000系  モ10006号車        KD26型台車

 平成10年ごろ 同じようにアポなしで工場の守衛さんに写真を撮らせて
ほしいとお願いしたところ本社の広報に申し出てくださいとのこと。
道路からチラッと見える近鉄初期のダブルルーフの車体が物置か
何かに使われているので撮らせてと言っただけなのにダメでした。
「時代が変わったなぁ」                    .


 団体専用 「あおぞら号」   画像 3件 画像追加  2012.11.10

団体専用車輛 「あおぞら号」    KD 43型 1962年(昭和37年)3月撮影
この写真は営業運転直前のもので高安工場で最終組み立て中の
ものを撮影しました。 この台車は2代目ビスタカー 10100型のKD 41型
の改良型です。ピカピカの真っ新の台車に何故か惹かれたため撮影しま
したが、台車に魅力を感じたきっかけになった一枚です。         .
     


運用間近の「あおぞら号」                高安車庫にて







奈良線特急車両 800系  モ800型             KD20A型台車




奈良線特急車両  800系 中間車 サ700型           KD12A型台車

シュリーレン式台車は戦後まもなくスイスのシュリーレン社からの技術導入に
より日本で作られたものです。 800系電車の設計者が雑誌で車体と台車は
スイス連邦鉄道そのものという印象をうけ、特に台車KD12Aの全体の印象が
とりわけ枕ハリのリンク周りの雰囲気はローザンヌやチューリッヒ駅のホーム
でかがみこんで眺めた感じとまったく同じだった。と述べられています。    .
 
                   鉄道雑誌  「関西の鉄道」 No33  
                      平成8年6月刊行 より



奈良線電車   600系 サ550型       台車形式は不明
住友金属製のマークが見えます。 いわゆるボールドウィン型と呼ぶものです。
この台車が旧生駒トンネルの勾配を走り抜けたかと思うと、感慨深いものがあります。


以上 枚数が少ないですが、45年前の台車です。 今となったら
もっと数々の台車がありました。撮ろうと思えば撮れたのに残念。

END
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2011.11.29    制作         .
2012.11. 8    改訂(あおぞら追加)
2012.12.20   改訂(2003追加)  .