思い出の箱                         2011年12月24日 制作

2010年 9月  英国鉄道の旅 U



エディンバラ駅風景


2010年9月 「思い出の箱」が英国鉄道の旅に行ってきました。
もったいないことに下調べや勉強はするにはしましたが、あんまり
頭に入らず、とりあえずは行ったら分かるだろうと、渡英しました。


思いつくまま撮った写真を、帰国してから調べてみました



インターシティーに乗りました。



ロンドン・キングスクロス駅 1番ホームの IC225

東海岸線(East Coast Main Line) の ロンドンのターミナルです。

北部のスコットランド方面にインターシティーが発着します。


IC=インターシティー  ヨーロッパ各地の在来線の都市間連絡の
最高速列車のことで、平たく言えば日本の特急に当たります。
 . 

(キングスクロス駅はこのとき大掛かりな改修工事中でした)


イングランド中部のヨークへ行きます。



ロンドン キングスクロス駅を出発 
空席を見つけ座ってまもなく、 気が付けばすでにこんな
田園風景が広がりました。 スピードはかなり出ています。
それもそのはず160〜200km/h近くで走ってるんです。


車窓から見たディーゼル機関車



GBRf 鉄道貨物会社 66707号機       種別 Class 66  (1998〜2006)

EMD社製造(グローバル企業)の機関車で 英国ほかドイツ オランダ ベルギーほか
ヨーロッパ各国で活躍しています。             最高速度 105〜120km/h





EWS運営会社 所属  67008号機       Class67   (1997〜)

この機関車は最速200km/hで走り、 オリエントエクスプレスも牽引します。
アルストム社(フランス)やGMの技術で製造されています。          
 .

EWSは東海岸線ではチャーター観光列車と一部貨物列車を運行しています。
イングランド・ウェールズ・スコットランド鉄道の略号でブランド名として残し、
 .
実際はドイツ資本の 「DBシュンカーレール英国」です。          
 . 



イギリスには 新幹線建設の意思は無かった。

英国はほぼ平坦な土地である。 既存鉄道は直線区間が多い。そのため改めて
新しいシステムを導入しなくとも、既存路線を高規格にすることで200km/hの列車
を走らせれば充分であるとし、 財政難であったこともまた理由の一つです。   

と言いつつもCTRLを建設せざるを得ませんでした。
1994年ユーロトンネル開通後でも、パリやブリュッセル側は300km/hで運用す
るもロンドン側は160km/hでした。 これには英国も静観できず高速新線を計画
し、2007年に略称CTRL(
Channel Tunnel Rail Link)を完成させました。 これ
の一部車両に日立製が採用され、運用結果が良好だったことから今後の在来線
車両の更新に日本製車両が採用される道が開かれる契機となりました。     .




まもなくヨーク到着です。 こんな火力発電所が見えました。
原発?  帰国後に火力と分かりました。





車窓から  ヨークミンスター大聖堂(右端)



York (ヨーク) に到着



IC225  先頭車は電気機関車。    Class91

イーストコースト線電化にともなって開発された機関車で配属は1989年。
最高速度225km/h 
交流 25kv  2軸台車2台 日本ならばED型。  
保安のため営業運転は時速201km/h以下に制限されています。





思わず感嘆してしまった立派なドーム駅舎。

















最後尾は運転台付き荷物車です。 前も後ろも同じ形の車両です。
このまま列車はスコットランド首都 エディンバラに向かいます。

ロンドンに行く時は後押し機関車で突っ走ります。





1986年製造  短距離型ディーゼル車  class 150

イギリス国鉄の民営化は1994年からですが、それに先立っての
構造改革の時代にこのようなカラフルな車両が各地に登場しました。
この車両の塗装はノーザン鉄道会社のカラーリングです。




ナショナルレイル    ヨーク駅



ナショナルレールのロゴマークです。
         東海岸本線 一口メモ

   ロンドンからエディンバラまでの電化区間です
    さらに北方のインバネスまで直行する列車もあります。
    この場合はディーゼル機関車となります。

   蒸気機関車のマラード号は1938年(昭和13年)
    イーストコースト線で世界最高速度201km/hを達成し
    ました。

   また第二次世界大戦中 ドイツによるロンドン空襲中
    にも定時発車した伝説の
「フライング・スコッツマン」
    この路線を今なおエディンバラに向けて午前10時に発車
    しています。 愛称もそのまま フライングスコッツマン。





      列車にデザインされた EAST COAST

     このデザイン文字は 路線を表示しているのでなく
    この列車の運営会社 EAST COAST社の名前です。
    このような列車運営会社(オペレーター)が数社あって、

    その統一名がナショナルレールです。


    同一路線に複数のオペレーターが列車を運行するので
    乗車券や案内などバラバラにならないためにこの統一
    ブランドを表示し、混乱を防いでいます。

        
 線路と列車は 別会社の運営です。
    イギリスは民営化する際に線路やトンネル 駅などの
    インフラと列車の運行を分離し、いわゆる上下2段分割
    しました。 インフラは1社、運行は数社に分割されました。




ヨーク市内です




ヨークミンスター大聖堂です。




奥がヨークミンスター大聖堂







国立鉄道博物館   ヨーク駅に隣接しています。

なんとあれだけのコレクションなのに無料で入場できます。
1829年製 スティーブンソンの蒸気機関車です。    
  .

新幹線0系が展示されていて、意外や人気がありました。
とても誇らしげな気分になりました。   
          .








リーズ行きローカル列車   Class158 ディーゼル車両  最高速度140km/h
1989年〜1992年製造  多数製造されイギリス各地で活躍しています。
この列車は 運営会社ノーザン鉄道会社の運行です。

                                   ロゴマーク

面白体験 T

出発時刻が近づいてもこの写真の列車に乗ることができません。
客室は真っ暗、ドアも開けられません。 「この列車でよかったのかな?」
少し不安な気持ちがよぎります。 ギリギリになって乗員らしき人が現れま
した。 
でも一目見て乗員とは分かりません。 普通のビジネスマン風の
人がカバンを持って、悠々と歩いてきてドアの鍵を差込み、 それでやっと
「やっぱり 乗員だった」と確信。 ドアが開きそして、おもむろにエンジンが
掛りました。                                     .

 日本なら、乗客を先に乗せておくでしょう。 小走りに走ってくるでしょう。
 制帽もかぶっているでしょう。 「まったくモー」とは日本人の感覚?   
 .

そういえばこの列車に限らず車内検札に回ってきた乗務員もネクタイは
締めていても、鉄道員と分かる制服や制帽を着用していなくて、普通の
人って感じだったなぁ。                              .






車窓から(ヨーク近くの車両基地)みた Class 144 ディーゼル車。 
(一番手前)
1986年〜1987年 製造
    最高速度 121km/h

珍しい2軸の単車
だったので思わずシャッターを押しました。2両連結で1ユニットです。

民営化(1994年)以前の国鉄近代化時代の車両です。
 Mのマークはメトロの
表示で都市近郊型と言える車両です。





Leeds
(リーズ)駅 構内
人口 71万人の大都市。 イングランド有数の商業 金融で栄える街です。





 リーズ・リバプール運河の三段式閘門です。

 産業革命によりリーズは毛織物工業で大発展し、1816年に運河はリバプールまで
掘削され、鉄道が通じるまで、石炭や石材等を運搬する需要な交通機関でした。
運河はスキップトンまでつかず離れずに見え隠れしていました。          .

このロック(閘門)はリーズに近いBingley(ビングリー)にある三段式の
もので運河の水を次から次へ移してボートを上から下へ、下から上へと
移動して高低差のある地形を乗り越えてゆきます。            






車窓から      Bingleyにて

車窓から眺めるリーズ近郊は、産業革命を彷彿とさせる石造りの工場が
次々に現れます。 リーズから二つ目のSoltaire(ソルテア)にはその時代に
工場 住居 教会 学校 病院などを総合的都市計画で作られた街があり
世界遺産に登録されています。                          .





スキップトン市内を流れる リーズ・リバプール運河
観光用ナローボートです。


Leeds
リーズ)近郊のローカル電車




Leeds (リーズ) から Skipton(スキップトン)へは電車です。
Class 333 2000年製  最速160Km/h  シーメンス社製造
交流 25,000V




これで通勤電車? と思うぐらい。

スピードを上げても非常に軽快な乗り心地でインテリアも上質でした。
リーズを中心とした電化区間で通勤列車として活躍しています。   .


面白体験 U

スキップトン発のリーズ行き電車。 ヨークの時と違って出発前には
電車が留まっていて乗車もできました。 ところが乗務員が来ません。
5分ほど遅刻でやってきました。 やはり悠々と歩いてです。 しかも
何事も無かったかのように発車しました。 「走れ!」「おわびは?」 
.
日曜日だったから?   やはり日本では考えられないことでした。
 


ついでに路線バスのトイレの話し。

やはりスキップトン。 路線バスでマラム村に行く時。 駅でも無いのに
運転手さんが降車し、林の陰で小用を足しました。 なんかジョークを
言ったのでしょうか乗客の笑い声が聞こえました。          
 . 
 つい先日(H23.12)東京でしたか理由を言ってコンビニで用を足した
 .
乗員の事がニュースで報じられました。 わざわざ報じる事でも無いの
に日本ではニュースになってしまうのが面白いのか面白くないのか?



カーライル駅



Class185 ディーゼル列車  2005年〜2006年製造  最高速度160km/h
魅力的なカラーリングの列車で乗りたくなる雰囲気がありました。

人気の観光地 湖水地方へも近いカーライル駅




連結風景




Trans Pennine express 会社     Class185    
                    
Yorkにて(鉄道博物館バルコニーから)





旅行中にも帰国してからもよく分からなかったこと。

鉄道車両の分類

イギリスでは
電機であれディーゼルであれSLであれすべてClass○○○
機種を分類しています。  何らかの根拠があるのでしょうが、何のことやら
さっぱり理解ができません。                            .

日本ではEF
○○は6軸の電気機関車。 DD○○は4軸のディーゼル機関車 
C型は3軸の蒸気機関車、 クモハは制御付電動2等車とファンにとっても、
大変分かりやすく分類されています。 フランスやドイツも分かるようになっ
ています。                                     
 .
.

これはイギリスは民営鉄道会社の乱立のあと国営化したのが1948年で
あり、その後また民営化したことと関係があるかも知れません。     
 .


このことに関してご存知の方は是非教えていただきたく思います。

 メール箱



スコットランドへ

エディンバラ駅風景   Edinburgh Waverley Station



奥の看板 読めるでしょうか、正式駅名はエディンバラ・ウェイバリー駅です。

駅構内まで乗り入れる自動車に少し驚きましたし、便利そう。



エディンバラ・ウェイバリー駅に入る Class 170 ディーゼル列車

  1998年〜2005年製  最高速度160km/h




インバーカイジング駅でのClass170車両 この車両も
快適な乗り心地でした。                 .

 列車のロゴはFirst  (ファーストスコットレール運営会社)

ファースト社は英国全土にまたがる大手の運輸サービス会社で
ファーストグループを組織しスコットレールもその一員です。  




ファースト・スコットレールの Class158 ディーゼル車



 ディーゼル機関車の  IC 125



IC125     125は時速125マイルの意味   200Km/h   

この列車はエディンバラ以北の非電化区間からイーストコースト線を
経由してロンドン キングスクロス駅まで走ります。          
 .





Class 43 の電気式ディーゼル機関車     
エディンバラ・ウェイバリー駅

1976年製造 最高速度238km/h  営業では201km/h以下とされています。
列車の前後に連結されて
プッシュプルで走行します。




プッシュプルでフォース湾を渡るIC125  


エディンバラから、そのIC125でロンドンへ戻ります。

ゆったりと4時間半を楽しみました。  
 .



SLのスティーブンソン父子の生まれた、ニューカッスル

中世は毛織物 石炭で、産業革命以後 造船鉄鋼業で大繁栄 特に
19世紀末は造船は世界の1/4を占めました。 現在は金融 商業の他
食品 医療機器 メディア関連が伸びるほか、 外国企業誘致も盛んで
日本から日産 コマツが近くに進出しています。             
 .





キングスクロス駅に到着。
 工事中で騒々しく雑然としていたのは少し残念。




93/4プラットフォーム

映画「ハリーポッター」
魔法学校行き特急の駅ホーム

映画とちょっと違うのですけど
人気のスポットで人だかり。
 ..




駅改修工事で移動していました。


帰国の日。  パディントン駅からヒースロー空港へ



 ここでもIC125が停車していました。

                       
 END

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